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睡眠時無呼吸症候群の検査について

睡眠時無呼吸症候群の睡眠検査としては、(1)パルスオキシメトリー、(2)無呼吸モニター、(3)終夜睡眠ポリグラフィがあります。

パルスオキシメトリー

パルスオキシメトリーは在宅でも容易に使用が可能で、検査費用は最も安価です。また、コンピューターによる自動解析の結果で重症レベルであれば、非常に高い確率で、治療の必要な睡眠時無呼吸症候群と評価できます。しかしながら、この検査では 25-30%の患者様が見逃される可能性があると報告されています。

無呼吸モニター

無呼吸モニターも在宅で使用できる機器です。また、検査費用も安価で睡眠時無呼吸症候群の評価が可能であり、ヨーロッパではコストパーフォーマンスの優れた検査と評価されています。しかしながら、無呼吸モニターは在宅で使用した場合、就寝中に寝返りなどにより、センサーが、適切な装着部位からずれたり、外れてしまうなどの問題を生じやすく、終夜にわたっての評価が正確にできないという問題は決して少なくありません。また、睡眠時無呼吸症候群以外の過眠症の診断はできません。このため、米国睡眠医学会では、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高い場合にのみ、熟練した技師の常時監視(attended)で使用することが勧告されています。まだ、日本ではあまり議論されていませんが、欧米のガイドラインでは、自動解析の結果は妥当性が乏しいため、マニュアル解析が必須とされています。

終夜睡眠ポリグラフィ

終夜睡眠ポリグラフィは、睡眠検査のゴールドスタンダードの検査です。この検査では、睡眠時無呼吸症候群の循環呼吸の評価だけでなく、睡眠の評価なのが大きな特徴です。特にCPAP(在宅持続陽圧呼吸療法装置)の圧調整では、睡眠状態を把握しながら、圧の調整をするために必須の検査です。

当院では、専門医の診療に基づき、睡眠時無呼吸症候群と考えられる患者様では、検査費用の安価なattndedの無呼吸モニターを行い、睡眠時無呼吸以外の過眠症やその合併が疑われる患者様では終夜睡眠ポリグラフィを行っています。また、その後、nCPAPの導入の場合には、終夜睡眠ポリグラフィを split night study(一晩の睡眠を2分割して、睡眠時無呼吸の評価とnCPAP圧の調整を行う北米では標準的な検査方法)にて行い、nCPAP圧の正確な圧調整と睡眠時無呼吸の再評価を行い、患者様の費用負担を軽減できるようにしています。